人通りの少ない町中を、誰かを捜すようにして歩くジーク。
彼は突如目の前から消えたシェイラの姿を捜していた。
ほんの少し目を放し、彼女の元から離れた時だった。
其処に座り、1人の女性と仲良く話をしていた筈の彼女。
その彼女の姿が女性と共に突如消え、行方を見失ってしまったのだ。
「…シェイラ……一体何処に……」
立ち止まった彼は壁に背を預け、眉間に皺を寄せ呟いた。
頭を抱える彼の耳に、不意に入ってきた鈴の音色。
その音に顔を上げた彼は前方を鋭く睨んだ。
「決着をつけに来てやったよ、この死に損ない!」
声をあげるのは、黒髪を1つに揺った巫女装束の少女、ナギ。
彼女が何か言い終わると同時にジークを覆う黒い影。
ナギと瓜二つの顔をしたもう1人の少女、カンナが屋根の上から薙刀を手に飛び降りてきた。