ナイフを手にしたアンバーは身を屈めアリューを迎え撃つ。
風を切りながら繰り出された拳を交わし、素早くナイフを突き出した。
しかし、アリューは身を捻りそれを交わすと背後に回り込み蹴りを入れる。
それを避けきれず腰に激痛が走る中、大勢を崩しながらも振り向き際にナイフを投げた。
飛んできたナイフをアリューは難なく掴むとクルリと回し、刃を下に向くように握り直す。
そして倒れたアンバーの襟を掴むと手にしたナイフを振り下ろした。
「ぐっ……!」
顔面に振り下ろされたナイフを顔を背け何とか交わしのだが、そのナイフは深々と首に突き刺さる。
「っ…あ゛ぁー……!」
アリューを力の限り突き飛ばし、一旦距離をとると突き刺さるナイフを引き抜いた。
黒い血が勢い良く噴き出し、顔を、髪を、ローブを真っ黒に染めてゆく。
荒い息をする彼女は再びナイフを手にフラフラと立ち上がる。
既に傷は塞がりかけ、溢れ出る黒血は止まっていた。

