部屋の扉はノックもなしに開かれた。


勢い良く押し開けられた為、扉が壊れてしまうのではないかと心配になる。




 「おい聞け赤目の死神!」


跳ね返ってきた扉に身をぶつけそうになりながら叫ぶレオン。


灯りもつけない暗い部屋の中、ベッドの傍で縮こまるクレアに声をかける。


しかし、彼女は部屋に響いた騒音にも、彼の声にも全く反応する事はなく、伏せた顔を上げる事はなかった。




 「ったく……いい加減にしろよな……そんな姿見たくないってんだよ……」


溜め息を吐きぼそりと呟くと頭の後ろに腕を組む。




 「コウガは無事だ。安心しろ」


彼のその言葉にピクリと身を震わせ反応を見せたクレア。


恐る恐ると言った感じでほんの少しだけ顔を上げた。




 「もう心配ない。だから、お前もそろそろ立ち直れよな」


充血し腫れた瞳を目にしたレオンは顔を背け、天井を見上げた彼はそれだけ言うと立ち去って行く。