灰色の空から、赤い雫が落ちてきた。
ポツリ、ポツリと間を空けて落ちてくる。
見上げると、血だらけの女性の姿があった。
焼け残った木に吊される、銀髪の女性。
左足首にロープを巻かれ、逆さ吊りにされた彼女。
逆立った髪に血が流れ、銀から赤へと色を変えて行く。
両腕は力無くぶら下がり、指先に溜まった血は耐えかね雫となる。
その雫は彼女を真下から見上げる男性の頬に落ち、器用にそれを舐めると嫌味に笑う。
彼女の苦しむ顔がもっと見たくて、宙に浮く短剣を操り腹部の傷を更にえぐろうと行動に出る。
が、彼は何かに気づき地を蹴るとその場から逃げた。

