Blood Tear



クレアが何処かへ行くのを目撃していたジーク。


それを止めなかった自分にも責任があると、彼女の元へ加勢に向かうと言う。



レグルにシェイラとレオンを連れて戻れと言うと歩みだす。




しかし、何者かに服の袖を掴まれそれを拒まれた。




 「私も行きます」


 「お嬢様、しかし……」


振り返ると、強い意志をもつ茶の瞳と目があった。




 「彼女が危険な状態ならば、私も居た方がいいはずです。だから……」


袖を握り締め彼を見上げるシェイラ。


一方、彼女を危険な目に合わせたくないジークは眉を潜める。




 「行ってこい。彼等を住民に預けたら俺達も直ぐに向かう。だから、早く行け」


レグルに促され、ジークは頷くとシェイラを抱え地を蹴った。



その後ろ姿を見送ると、レオンと共に急いで町へと駆け出すレグル。




一際強い風が吹き乱暴に木々を揺らす中、羽を休める小鳥達は羽ばたき、まだ散るはずのない青葉が舞う。


それはまるで何か不吉な事が起きる前触れのような、そんな気がして、心は不安な気持ちで満たされる。