ナイフで素早く斬りかかる人物を突き飛ばし、振り下ろされた剣を受け止めるコウガは戦闘に慣れていない彼等を不審に思う。
攻撃を交わしながら他の敵を見回すが、圧倒的に此方に分がある。
彼等は何者なのかと眉を潜めていると、先程突き飛ばした男が何かに気づき地を蹴った。
彼の走る先には、大木に隠れ様子を伺うシェイラの姿。
危険を察知し助けに向かおうと地を蹴るが、敵が立ちはだかり行く手を阻む。
舌打ちし彼に斬りかかり走り出すが間に合わない。
シェイラの元へ先に辿り着いた人物は彼女を捉え首にナイフを突きつける。
人質をとられコウガは動きを止め近くのジークへ目を向けるが、何故か彼は気にする事なく敵と戦い続けていた。
「おいジーク!」
「…心配いりません。お嬢様なら大丈夫です……」
人質を取られている今、妙な動きは取らない方がいい。
なのに彼はコウガの怒鳴り声にも焦る事なく刀を振るい続けた。

