「ありがとうございます」
満面の笑みで礼を言い受け取ると、彼女はその箱の蓋を開ける。
中身を目にし歓喜の声をあげる。
そしてとても幸せそうな笑顔を見せる。
その筈だった。
なのに中身を目にした瞬間、彼女は恐怖で目を見開く。
微かに開いた口からは喜びの声も出る事なく、決して笑顔を見せる事はない。
目を見開いたまま身動き1つ見せない彼女の頬に突然鋭い痛みが走った。
その痛みが走ると共に彼女は手にしていた箱を落としてしまい、バランスを崩し床に倒れる。
倒れる途中で見えたローグの瞳。
それは醜いものを見るような、愚かなものを見るような、そんな冷たく恐ろしい瞳…
その瞳に彼女はどこかで恐怖を感じていた…

