6月末、新しい高校生活に慣れ始め、徐々に友達も出来始める頃、俺は未だに友達とうものを作っていなかった。

クラスメイトとは、話しかけられればそれなりに話すし、俺からもたまに話しかけたりする程度。
休み時間は、ぼーっとして昼寝をしたりしくつろいでる。

この状態のことを「ぼっち」って言うんだろう。
なにやら、女子の会いだでは一匹狼と呼ばれているらしいが。

だが、少なくともクラスメイト全員とは話したことがある。ただ一人を除いては。

その子は顔立ちは、目鼻がくっきりしていて、色白で手足はすらりと長い、外見だけみれば完璧だろう。
けれど、普通の女の子と比べると、随分と雰囲気が違う。落ち着いていて、誰も近寄らせないかのような、不思議な雰囲気。

話しかけようにも、俺の存在がなかったかのように、無視されてしまった。
驚きと苛立ちを抱えながら自分の席へ戻ると、近くの女子が教えてくれた。

「あー、純也君、結城さんに話しかけたの? やめたほうがいいよー、なんせ、誰が話しかけても無視されるんだから」

どうやら、先ほどの彼女の名前は結城というらしい。

ちなみに俺の名前は佐々木 純也という。

結城はどうやら、名字らしく、下の名前も気になったが聞くほどじゃないと思い、聞かなかった。

結城との出会いはこんなもんだった。