「お母さんじゃないからね」 そう言いながら母が私の指を一本一本外していく。 私はわからないので、しばらく恨めしそうな顔をしている。 「私じゃないってば〜」 母は無実を訴える。 あはは。 人にはわからないかもしれないけど、笑いの絶えない家庭なのである。