「かりんちゃんは大丈夫なの?」
救急車の中で、おばあちゃんが心配そうに母に聞いてたわ。
「大丈夫よ!」
母も心配だったけどそう言ったのよ。
大丈夫、大丈夫に決まっている。
そう自分にいい聞かせるように。
そして母は、私の手をギュッと握っていてくれた。
ーかりんちゃん死なないで!お願いだから死なないで!ー
母からのテレパシーを受け取ったの。
病院に着いて私は、一人で医師から処置を受けた。
待ってる間に母は父へ連絡を入れた。
しばらくして母がお医者さんに呼ばれる。
ベッドに寝かされている私を見て、死んだのかとビックリしたみたい。
「かりんちゃん?」
ーまさか死んでるんじゃないよね?死んだなら死んだって先生が言うよねー
母はすぐにパニックになるんだよ。
ケイレン止めの点滴で眠っているだけだと、お医者さんから聞かされて安心してた。
私は入院することになったの。
父も来た。
おばあちゃんを一度家まで送り、また一人で来て、父も付き添ってくれたわ。
私は眠り続けた。
ケイレンを起こしたときは熱もなかったんだけど、38度、39度と高熱になっていったの。
このケイレンは新しいてんかんのはじまりなのだろうか?このケイレンでまたさらに私の脳が傷ついたかもしれないと、母はすごく心配したみたいよ。
そうよ。
ひとりで考えてまたパニックになってたの。
母の性格だんだんわかってきたでしょ?


