車椅子から見える愛


ーかりんちゃんがまた変な力が入って動作が変だわ。でもいつもの動作とは違うな、そんなに顔を敷物にくっつけてると窒息してしまうじゃないの!ー


そう思って、母が私を元の仰向けの状態に戻そうとしたその瞬間。


ゴロン。


私は寝返りをうったのだ。


「かりんちゃんが寝返りをうった!」


思わず母は大声を出して喜んだのよ。


おばあちゃんもビックリして見にきた。


うつ伏せになってる私。


でも、ほんとにこれは寝返りなんだろうか?緊張でたまたまひっくり返っただけなのかもしれない……。


母とおばあちゃんは、一度の寝返りだけでは信じることはできなかったんだよね。


寝返りだったら嬉しいけど、そうではないのにぬか喜びして、また奈落の底に落とされることが、怖かったんだと思うの。