車椅子から見える愛


そこで提案されたのが、500万の一軒家。ローンなしで家賃として払いながら、最後はその家のオーナーになれるというもの。


見学に行くと、まず玄関が狭い。
かりんを抱いて上がれない。
窓から出入りするしかないようだ。


中は安いベニヤ板を貼り付けて、三部屋全て洋間だ。かりんは畳がないと暮らせない。


お風呂だけはリフォームできなかったらしく、昔風のお風呂のまま。


全体的にリフォームされてはいるが、さすが500万円、よく見るとうちより古い家をリフォームした家のようだ。


うちに帰り思ったのは、あんな家を買うよりも、うちをリフォームすればいいのだということだった。


早速リフォーム業者を探して、屋根や今にも床が落ちそうなところをリフォームしてもらうことにした。


倒壊のことは怖かったが、かりんはこの家以外に住めるところはないと感じたのだ。