車椅子から見える愛


普通。


ということがわからなくなる。
今まで普通にしていたこと、普通だと思うこともなく普通に暮らしてきたことが、全部出来ない。


何をしても無表情になる。
どこで何をしていても。


外に出たくない。
人と話をしたくない。


会話をして無表情だと、凉太の死を知ってる人でも、いつまでも悲しんではいけないなどと言う。


亡くなった数日後に「頑張りなさいって!元気だしなさい!」と言われたのには驚いた。


そういう無神経な言葉を言う人が近所に何故か多かった。


学校へは朝は車で片道30分の学校まで送り、帰りはスクールバスで帰ってくる。
スクールバスは駅までなので、バスから抱っこして車まで行くのに、なるべく近いところを確保するために30分以上前から待つのだ。


学校というところは行事が多いので、これがまた精神的な負担になる。


まず最初に歓迎遠足だ。
私は歩けないので車で現地まで行く。


その頃からすでに胃の調子が悪かった。
ずーっと胃の中に鉛が入っているような感じだった。