車椅子から見える愛


入学式。
とてもお祝いという気分ではない。


数日前、かりんの中学の担任から電話があった。かりんが高等学校に合格したのを知ったからだ。


「おめでとうございました!良かったですねー」
第一声からこれだ。


凉太のお葬式にも来たのに、おめでとうはないだろう。無神経にもほどがおる。
教師という人の一部の人に、こういう無神経で常識のない人がたくさんいる。


別に、高等学校に合格しても、その先大学を目指すわけでもなく、あと三年間は施設ではなく学校へと思い選んだだけのことだ。


そして、凉太がこんなことになるなら、かりんは施設の方を選べば良かったと思っていたくらいなのだ。