車椅子から見える愛


とにかく、かりんの脳になにか刺激を与えなくてはいけないと思った。


訓練よりも、テレビよりも刺激になることを。


それはやはりいろいろなものを見せてあげるということだろうと思った。


いろいろなもの。
風景とか、出来ればこの世にあるもの全て。全てを見せることは無理なので、できる限り外へと出かけた。


泊まりで行くのは大変だったし、経済的にもうちは余裕などなかった。


始めてのお泊り旅行は県内にある温泉地だった。


1歳くらいのときだ。
でも、かりんは寝たきりで、まだその頃はかりんのことを障がい児という目では私は見ていなかった。しかし普通の子供と同じとも言い切れない。一番複雑な気持ちの時だったと今思い出してもそう思う。