車椅子から見える愛


でも、それ以上の発達はなく、お喋りもしなかった。


ゴロンゴロンと寝返りをして、ケラケラケラと笑い、ちょっとでも嫌だとギャーギャー泣きわめく。


それが、かりん。


オモチャを自分で持って遊ぶことも出来ないので、何かかりんの喜ぶオモチャはないかと探し求めた。


とにかく脳に刺激を与えることが、傷ついた脳には大事なことは確かなので、オモチャや絵本TV、それと外出していろいろなものを見せて刺激を与えた。


TVはお母さんといっしょという番組が特に好きで喜んだ。


とにかく一日中機嫌が悪い。
まだ脳の中ではケイレンが起こっているからだろうか。


「なんか一日中機嫌が悪いんです」
小児科でそう訴えると
「じゃあ、機嫌が良くなる薬を出しておきましょう」と医者。


???


機嫌が良くなる薬ー?


処方された薬をみても名前もなにもない。なんの薬なのか。


それをしばらく飲ませていたけれど、あまり効果もないので
「機嫌が良くなりません」
とまた医者に訴える。
「あんまり効果はないですからね」


…………


とにかく、かりんは楽しいことがないと泣いているのだ。