車椅子から見える愛


涼太のやっている遊具療法とはどんなものなのか?


母が見た限りでは、プラレールのようなオモチャで遊んでるようにしか見えないみたいだけど。


それが何か心の傷を治すことに役立つのか?疑り深い母はなんとなくそう思ってしまうの。


一見遊んでるだけのように見えても、違うんだろうね?きっと。


待合室で待つ子供連れのお母さんもいる。その子供が涼太のところにきて邪魔というか、一緒に遊ぼうとすることがあるみたいで。


そんなときは先生がその子のお母さんに注意をするんだって。


「これは治療の一つなので、違うオモチャで遊んでもらっていいですか?」と。


母の方も毎週毎週よく話すことがあるな、と思うくらい喋り続けていたみたい。


普通悩みや愚痴を友達などに話すと、必ずアドバイスが返ってくるでしょ?他には頑張りなさいよとか、それは間違ってるなど、本人の意見を否定されたり……。


悩みや愚痴を言う人は、共感して欲しいだけなのだから。アドバイスもいらない。答えは自分の中にあるだからね。


だから心が病むほどに悩んでる人は、カウンセラーに話を聞いてもらうのがいいのかもしれないね。


いえ、そうしないといけないのよ!