車椅子から見える愛


次の週から、涼太は松田先生というカウンセラーの卵の男の先生と遊具で遊ぶ療法に。そして母もカウンセリングを受けることになったの。


「子供の心が傷ついて、そのストレスが母親に向かうことはよくあるというか、母親にしか助けを求めるところがないから、そうなるんですよね」


「はい」


「でも、母親もそれに対してのストレスが溜まります。よね?」


「はい。かなり」


「ですから、そういう場合は子供さんだけではなく、お母さんもカウンセリングが必要だと我々は思っているんです」


「どういうことをするのか、はじめてなので緊張します」


「あはは。なんでも思ってることを話してくれればいいんですよ。かなり一人で悩まれたでしょう?」


母は、そう言われて涙が出そうになったみたい。


ーそうなのよ。何もかもいつも自分で考えて誰にも言えなかった。ここで聞いてもらえるの?何を話していいのかよくわからないけどー