涼太はカウンセリングには、続けて行っていたわ。やはり心に傷を負っているんだと思う。それはすぐには治らないんだよね。
「もう箱庭したくない。お母さん、先生に言って」
「はぁ?うん、わかった」
カウンセリングに行く前に、突然涼太が母に言ったみたい。たぶん、同じことの繰り返しに飽きたのだろうと母も思ったみたいよ。
カウンセリングの日に、母はカウンセラーにそのことを話したの。
「え?箱庭が嫌なの?涼太くん。う〜ん、どうしようかな〜はぁ、いっきにクールダウンしてしまったわ先生」
沈黙が続いたんだって。
ー他に何かすることはないの?少しは考えてよ先生ー
母は少しイラついたみたい。
「待合室のオモチャが気になるみたいですよ」
仕方ないから、母がカウンセラーにそう伝えたの。
「あ!遊具療法にする?そうしよ、丁度カウンセラーの勉強中の人がいるから、その先生にやってもらうわ。そして、お母さん、お母さんもカウンセリングが必要ですから私がカウンセリングします」
ーえっ?私もなんかおかしいの?ー
母は自分までがカウンセリングを受けるとは夢にも思ってなかったみたい。当たり前だよね。


