次の日、母は私をおばあちゃんに預けて一人で学校に行ったの。
あれは虐待だ。そんなことをする学校に娘を通わせるわけにはいかない。そう思うのが母みゆきという人なのよ。
「おはようございます。あれ?かりんちゃんは?」
学校で待ち構えていた先生は私がいないのに気がついてそう言ったんだって。
「昨日の連絡帳のことで来ました。あなたたちはかりんに酷いことをしたという意識はないみたいですね!かりんは酸っぱいものが嫌いで食べないわけではないんです。それは説明したと思いますが?」
「はい、お聞きしましたけど?」
「わかってないじゃないですか!味覚の異常なんですよ!酸っぱいのが口に入ると苦しいんです!だから酸っぱいものは与えないでくださいとお願いしたんです!」
「何故わざわざ酸っぱいものを与えて、いやがるのを見てみんなで大笑いとかできるんですか?虐待じゃないですか!」
「そんなつもりはなかったんですよ。かりんちゃんの顔があまりにも可愛くて」
「あなたたちは人間じゃないですね!もうかりんは学校には行かせません!かわいそうです!」
そう言って母は戻ってきたの……。


