車椅子から見える愛


それは母にはわかっていたみたいよ。


なるべく母は涼太と遊んであげようとしている。
絵本を抱っこして読んであげたり。


「あんたは、かりんちゃんをほったらかしだね。かりんちゃんがかわいそう」


おばあちゃんが母にそう言ったこともあったわ。


「涼太の小さいときは今しかないのよ!かりんちゃんもそれをわかってるよ。おとなしくしてくれてる」


たまに母と祖母は喧嘩になる。


そうだ。
少しは涼太に母を譲らなければ。
私はお姉ちゃんなんだから。
それでも私を抱っこして食べさせたり、まだまだ私の世話は続くのだから。