障がい児のいる家庭は、母親が働いているいないに関わらず、下の子を確か0歳から保育園に預けることができるのよね。
しかし母はそうしなかった。
子供は自分で育てたい。
それが母の幸せだったのだから。
ある日、家の中で私が車椅子に座り、涼太も同じ部屋にいたはずなのに、急に涼太の姿がみえなくなったことがあったの。
「涼太〜!涼太〜!」
母は気が狂ったように家中を探し回ってたわ。
「この部屋から出てないんだから、他の部屋に行くわけがない」
おばあちゃんがそう言ったんだけど。
でもいないの。
神隠しにあったみたいに。


