車椅子から見える愛


涼太はハイハイからつかまり立ちをはじめたわ。


母は座って食事ができなくなった。
涼太が邪魔をするからね。


涼太が一人でたっちができた。


「わ〜涼太すご〜い!」


母が大声をあげて手を叩く。


涼太はその声にビックリして尻もち。
そしてたっちしたら、自分でわ〜と言いながら手をパチパチする。


「あははは。変なことを覚えてしまったわ」


涼太もちょっと変わった子らしい。


でも母たちが涼太の成長を楽しみにしているのがわかる。
私にはできなかったことを涼太がしてくれる。


でも、私のことを蔑ろにしているわけではないのよ。


ー涼太が産まれてますますかりんちゃんのことが可愛くて大切な存在だと思ってるのよー


母からのテレパシーを私は受け取ったの。