今なら解るよ、煌姫ちゃん。
煌姫ちゃんが言ってた“悪魔のようでいて天使なあいつ”って龍矢のことでしょう?
「あら、懐かしいわね。それで?美珠ちゃんは今どこの大学に通ってるの??」
「実鶴大よ」
「そう。文学部文化財科、かしら」
あたしは結局、煌姫ちゃんと約束してた超一流大学を受験ぜず、実鶴大のAO推薦で合格通知をもぎ取った。
超一流大に行ってももう意味なんてなかったし、何より約束してた大学では歴史が学べなかったから。
「あ、そうそう。ちょっと待っててね」
煌姫ちゃんは一旦奥の部屋に引っ込むと白い袋を持って戻ってきた。
