「へぇ、美珠ちゃんが龍の、ね。これから楽しくなりそうね」



話を理解した煌姫ちゃんは面白いおもちゃを見つけた子供のように瞳を輝かせた。


昔と変わらない表情であたしを見つめながら。



「千煌(ちあき)の知り合い……か?」



絞り出したような龍矢の声。


何をそんなに焦ってるのよ?



「知り合いってか……元彼?」


「嫌だわ、美珠。“元カノ”よ」


「うん、ごめん」



「お前はオカマがタイプなのか」って偏見に満ちた顔で龍矢が覗いてくる。


言えない。


「あたしと付き合ってから煌姫ちゃんはオカマになりました」なんて。