天使さんが超不機嫌な顔で食堂にやってくると周りの空気は一変した。


いつもはあたしなんて無視してくれるはずのギャラリーはこっちを見て、視線をそらさない。


「格好良いねー」


「ホント。あの子の知り合いかな?」


「紹介してもらいたいねー」



飛び交う黄色い歓声。


やめて。


あたしは紹介したりなんかしない。



「でもさー、あの子とじゃ釣り合わないよね」


「普通の子だもんね」


「あれで彼女とか言われたら自信なくすよー」



天使さんはあげたくない。


けどやっぱり釣り合ってないのかな。



泣きそうになるあたしを、天使さんが引き寄せて……。