「あたし……天使さんと付き合ってないですよ?」


「……え?」


心底不思議だと言うような声をだして、最さんは首を傾げる。


そんなふうに見えてたのかなー。


「でも姉御は好きなんじゃないですか?……若のこと」


今度黙るのはあたしの方だった。

ここは学校の最寄り駅で、当然クラスメイトなんかも通るわけで。


抱き締められたままのあたしなんて、クラスメイトの誰が想像しただろうか。


「……」


「答えられない……ッスか?」