~最side~


やっと見つけた龍矢の若さんは、女連れだった。



特別美人でも、特別可愛くもない、普通の女。


平凡で、今までの若の女とは真逆の印象の女。


なのにどこか俺を惹きつける。



若の隣を申し訳程度に占領し、決して傲らない。


ほら、今も不安そうに若を見上げて。


無自覚に潤んだ瞳に、若を溺れさせる。



『ちょ、何するの?!』


『俺も楽しかった、ありがと』



あ、若、笑顔だ。


あんないい笑顔、見たのいつぶりだっけかな。



きっと、隣の最もそんなことを思ってると思う。