「天使さん、今日は楽しかったです。ありがとうございました」 「おう。また明日な、チビ」 「いいえ。もう護衛はしなくて大丈夫です。“見窄らしい”あたしと一緒になんていない方が良い」 さよなら。 そう言って階段を駆け下りる。 そうよ。 世の中男は彼だけじゃないわ。 きっと……大丈夫。 「ふぇぇ……」 解っていても涙は止まらなくて。 翌日の電車を1本早めようと決めた。 そうでもして会わないようにしないと、会ったらきっと泣いてしまうから。