「大丈夫か、チビ」



返事しないあたしを不思議に思ったのか、天使さんはあたしを抱き上げた。



「ちょ、何するの?!」


「俺も楽しかった、ありがと」



決して恋人らしいデートじゃなかったし、乗り物にだって乗ってない。


ただ、ベンチで会話しただけの、そんなデート。



「どう……いたしまして」



真っ赤な顔でそう言えば、天使さんは豪快に笑った。