小さなお土産屋を離れて、2人ベンチに座る。


行き交う子供たちを眺めながら、あたしはちらと天使さんを見た。



言われた通りちゃんとおしゃれしてきた。


靴も服も、メイクも、いつもと少し変えたのに。



天使さんは気づかなかったのかな……




「チビ今日可愛いじゃん」


「え?」



聞き違いだと思った。

天使さんの形の良い唇が、あたしの欲しがった言葉を紡いだから。


「何?俺と逢うからおしゃれしてきたん?」


「天使さんがおしゃれしろって……」