『煌姫ちゃん、あそこのお店、見ても良い?』


『良いわよ』




あたしが煌姫ちゃんに指定したのは小さな宝石店。


狭いスペースにしては珍しい宝石がいっぱいで。




『わぁ、見て!シェルがあるわ!ピンク・フルオライトも!』


『シェル……』



はしゃぐあたしとは対照的に、暗く沈んでいく煌姫ちゃんの顔。


いつか、煌姫ちゃんに教えられたことがあったような、気がする。


何だったかしら……



『美珠ちゃんの友達、誕生日そろそろって言ってなかった?』


『委員ちょ?あ、あさってだ……』



片手にピンク・フルオライトを持っていたし、委員ちょに似合うとも思ったから、あたしはそれを持ってレジに直行した。



後ろで煌姫ちゃんがシェル片手に何か呟いていたなんて、知らずに。