その当時あたしは花言葉なんて数える程しか知らなくて。


素直にそう伝えたら、紫のクロッカスを描いた絵葉書を見せられた。



『えへへ、振られちゃった……。“スター・ベリル”、くれるって約束してくれたのにな』



そうか、この声の主はー



『委員ちょ……』



当時のクラス委員長、だ。


あたしにいつも恋愛相談してくれて。


あたしと同じで、宝石が好きな、美少女だった。



『スター・ベリル……恩恵、ね』



『そう。家族をくれるってことだと思ってたわ』



そう悲しそうに微笑んだ委員ちょがいつもの2倍、可愛く見えて。