「あ、大輔さん」


最初に気付いたのは綾だった。

その声に恭司と百合も顔を上げる。

大輔は右手を上げて、カウンターまで入ってくる。


「お疲れ。店、大丈夫だったか?」

「アイリンクのギターの木内さんが、他のお客さんたちにも事情を伝えてくれていて、俺らが戻ってきた時はアイリンクのメンバーさんたちと、その連れの人たちが、食器とかも下げてくれてました。後で礼を言っときますよ」