「あのコにもそう思ってもらえるように、この機会を無駄にしちゃ駄目よ」 「えっ」 「上野百合に。そして綾さんにとってもそうなれば、もっと素敵なことだと思わない?」 夜の病室の中でも、静はいつもの静らしく前向きだ。 康則が彼女に惚れ込んでいることに納得出来る。 大輔は頷きながら「そうだね」と言った。