「静さん?!」 両手でお腹を守るように静が苦しそうに眉の根を寄せている。 「静、おい、どうしたんだ?」 「――おなかが――。大輔、救急車を――」 言いながら静は綾の腕からずり落ちていくようにゆっくりとその場に腰を落とし、うずくまっていた。 周りに居た客たちも静の異変に気付き、ざわつく。