この七年の間に、恭司の環境も色々と変わっているだろうと綾は覚悟をしていた。

それでも今、恭司が何処で誰とどんな風に生活をしているのかを訊く勇気が持てなくて、訊きたいことはいっぱいあるのに言葉に出来ない。


「俺も、五年ほど前にこっちに引っ越してきたんだよ。ずっと一人暮らし」


恭司が十八の頃より大人っぽく微笑むように綾は感じだ。

もう十代の男の子ではなく、大人の男性なんだと実感する。

心臓の音の高鳴りが彼に聞こえてしまうのではないかと思うと、自分の顔が赤くなるのを感じた。

この店の照明が明るくなくて良かったと心から思った。