目の前に居る人は、間違いなく恭司だ。 綾は突然現れた彼に驚き過ぎ、声を出すことが出来ずに固まっていた。 「――綾、ほんとに?」 恭司もまた思わぬ再会に言葉が続かない。 そんな二人を見て静は微笑み、そっとその場から離れていった。 綾は自分の口を覆っていた両手を恭司の右手に伸ばす。 「――嘘みたい。恭に――会えるなんて」