百合のアパートから車で二十分ほど離れた所に大輔の住むマンションがある。 何の迷いもなく、百合は自分の家に入るのと変わらない様子で大輔より先に部屋へ入っていく。 台所にどの場所に電子レンジがあるかも彼女はよく知っていた。 電子レンジで温めた後、テーブルの上に置かれた器を眺め、大輔はぎこちなく口元を緩める。 「美味しいと思うよ、多分」 百合が微笑む。 大輔は何も問わずに、黙々とその料理を口にしていく。 テーブルの上に両肘をついて、その手に顎をのせ、食べる大輔を百合はじっと見ていた。