恭司が店を出た後に、静と共に店に残った百合は、静に何を話しかけていいか分からないでいた。

それを察したのか、静のほうから百合の傍に来て「外に出て待ってよう」と声を掛けた。

百合は頷いて席を立った。


「圭吾おじさんがね、あ、ここのおやじさんのこと。手術して入院しているのよ。それで、姪である私が代わりをしているわけ。ヤスくんが出張の間、恭くんにも手伝えって電話したみたいで、それで手伝ってくれているのよ」

「そうだったんですか」


百合には、初めて聞く事情だった。