閉店時間になり、恭司も静も帰り支度を始めた。


「静さん、送ってくよ。上野も一緒に送っていくから」

「いつもありがとうね」


静がにこりと恭司に微笑む。

恭司がここに手伝いに来ている間は、彼がいつも静を送っていることを百合は知る。


「ありがとう」


百合も首を傾げるようにして微笑んでみた。

恭司は両方に明るい表情を向ける。


「じゃあ、車、回してくるよ」