「そっかぁ。大輔さんはまた新しいのを作ってるんだ。羨ましいな」


人に聴かせるギターを最近弾いてないなと、恭司は自分の日常を振り返る。

仕事から帰って、ストレス解消代わりにギターに触れているだけだ。

それを物足りなくも感じながらも、大人なのだからそんなもんだと言い聞かせてきたが、学生時代に同じステージにいた大輔が、今も自分の音楽を作り続けていることを聞くと、自分が時の流れにただ流されて生きているような気がしてならなかった。