恭司がメールを返してから、一時間もしないうちに上野百合がメテオに入ってきた。 百合は真っ直ぐカウンターに向かい、恭司の姿を捜す。 「あら、久しぶりじゃない? 大輔と一緒なの?」 百合に気がついた静が声を掛けると、百合は驚いた表情を見せた。 「どうして、静さんが居るの?」 「どうしてって私が自分の伯父の店に居ちゃおかしいかな?」 静は苦笑してみせる。 百合は、大輔からも恭司からも泉のことを聞かされていなかった。