「対極、反対のものね――」


包み込むというイメージでいけば、子どもを大人が、女性を男性が――。

でも、それでは面白くない。

もっと、イメージを広げて――。

描くものを思考している自分に綾は嬉しくなる。

堀川大輔の注文の仕方に感謝したくなるぐらいだった。

案を見せるまでにもらえた時間は四日間。

それまでになにかを掴みたい。

創作意欲を擽られるようで、綾の心は弾んでいた。

お金で満たされるわけでもない、環境で満たされるわけでもない何かを胸いっぱいに感じながら、綾は目を開き、鉛筆を動かした。