「それに、私にとって圭吾おじさんはお父さんのようなものなのよ。うちのお父さん、早くに死んじゃったから。ああ見えてもさ、父親参観にもきてくれたりしたのよ。――だから、私がやりたいのよ」


話しながら、客から入ったドリンクのオーダーを静は手際よくこなしている。

恭司はカウンターの中に入り、背広を脱いでワイシャツの袖を捲った。


「今日は俺が手伝うから、静さんは少し座ってなよ。わかんないことは訊くから」

「そう? ヤスくんが心配して恭くんを寄こしたんだろうから、お言葉に甘えちゃおうかな」

「そうして」