恭司がメテオに足を運ぶのは久しぶりだった。

堂々と入れる歳になってからのほうが、足が遠のいているような気がして、恭司は苦笑いをした。

泉は好きなことを職業にして、結婚もせずに自分の生き方を楽しんでいる人だった。

その生き方に恭司は憧れさえもしていた。

だからこそ余計に、病気、手術、入院生活という、彼には今まで縁がなかった言葉の中に、今、泉がいると思うと切なく感じた。

あんなに元気だったのに、歳には勝てないのだろうか。



メテオの店内に入ると、入り口の右側の壁にたくさんの紙が貼り付けられていた。

恭司はそれらを読んでいって、思わず目頭が熱くなった。

それらは全て、オーナーである泉に送るメッセージだったのだ。