「この人がこの前話した、俺の先輩の堀川大輔さん。学生時代に一緒にバンドやってたんだけど、大輔さんは今、ソロで活動しているんだ」 「そうなんですか」 見かけによらず、河原の声は女性そのもので、しなやかな響きをしていた。 「自費製作のCDだから、あまりギャラは出せないけれど、いいのかな?」 確認するように大輔が言うと、河原はにっこり微笑んだ。