先に帰る母親を恭司が見送りに病室を出た後、圭吾は綾の顔を見て、何度も頷いた。


「この病室に入ってきた時の二人が良い顔をしていたから、うまく行ったんだなと思っていたけど、本当に良かったよ」


圭吾が満足そうに目を細めた。


「これからも色々とお世話になっちゃいますね。よろしくお願いします」

「おお。なぁ、あいつの母親、すごい人だろ?」

「ええ。本当に。あのお母さんの息子だから、恭が素敵な人なんだなって実感しました」


綾も頷きながら話していた。