「俺は一日でも早くしたい」


恭司がそう宣言して、綾に肩を竦めて見せる。

綾の頬が一瞬にして赤くなり、二人の微笑ましい姿に恭司の母親と圭吾が顔を見合わせて笑った。


「これで私もおばあちゃんに成れる日が近くなりそうね。楽しみが増えたわ」


恭司の母親が何気に口にした言葉だったが、その言葉を聞いた瞬間に綾の表情が曇った。

その場にいた他の三人は敏感にそれを感じ取っていた。