「ずっと聞けなかった分、すげー、響いた」 恭司の言葉の中に、出逢った頃の少年っぽさが見え隠れしていて、綾はふっと笑う。 「なに? どうしたの?」 「ううん、あーやっぱり恭は素敵だなって」 「今頃、実感した?」 「まだ会って無い頃からそう思ってたよ」 「メールだけで?」 「うん。メールだけでもそう思えた」 恭司が綾の顔に近付いて、キスをした。 深く長く、今までの年月が走馬灯のように心の中で流れる。